地盤改良は土地の資産価値を下げる?その理由は何?対策はあるの?

土地の資産価値が下落する

家を建てる上で一番たいせつなのは地盤と言っても過言ではありません。

定期的に発生する大地震といった災害。大地震の対策として家の耐震性を気にする人が多いです。

そんなニーズに応えるべく、ハウスメーカーは家の耐震性を高めてきました。なので、最近の家はほとんどが地震に強いです。

ですが、いくら家自体が地震に強くても地盤が弱くては家は地盤沈下で傾いたりしてしまいます。家が傾けば想定外の力が家にかかり、損壊してしまうことがあります。

そんな地盤沈下を防いでくれるのが地盤改良です。

地盤改良は一見メリットばかりに見えますが、土地の資産価値を落としてしまう可能性が高いです。

そして建売住宅の場合、ほとんどが地盤改良されてしまっています。

地盤改良すると土地は『埋没物あり』になる

地盤改良とは、軟弱であると判断された地盤に対して補強の工事をするというものです。

ソイルセメントと呼ばれるコンクリートの太い柱を地面に埋め込んだり、鋼管杭と呼ばれる鉄製の細い柱を埋め込んだりします。

これによって地盤は地震に対して十分な耐久性を持つことになります。

しかし、土地の評価としては『埋没物あり』という肩書きがつくことになります。

買い手にとっては埋没物ありとなるとちょっと敬遠してしまいます。その理由が下記になります。

埋没物は売主が撤去しなければならないことがある

土地に埋没物があると、土地を売るときにも埋没物ありとして売り出すことになります。

場合によっては売主が埋没物を撤去・除去しなければなりません。

埋没物除去には数百万もお金がかかってしまうことがあります。

たとえば、土地を1,500万円で購入したとします。

土地は不動の資産、1,500万円で買えばだいたいその値段で売れるものです。(もちろん時代によってインフレなどによる影響は受けます。あくまでも『金銭的な価値』ではなく『資産的な価値』という意味です。)

しかし、ソイルセメントや鋼管杭を撤去するのに数百万円かかることがああります。つまり、土地の価値が実質下がっているわけです。

最悪のケースの話ですが、地震などによりソイルセメントや鋼管杭が地中で破断してしまうという可能性もあります

そうなると撤去もむずかしいようですね。一応、下記のような対策もあります。

  • ソイルセメントの場合、地中での破断を防止するために現在では別の地盤補強の方法もある
  • 鋼管杭の場合、地中で破断など異常がなければ先端を切断することで対処なしで済むこともある

地盤改良済の土地は買うべきか?買わないべきか?

わたしの考えとしましては、地盤改良済みの土地は買わないほうが良いという判断です。

最悪の場合、地盤改良のために埋め込んだ鋼管杭やソイルセメントを撤去するための費用がかかるかもしれません。

撤去が必要なかったとしても、いつか自分が土地を売るということになった場合に価格を落として売らなければならなくなるかもしれません。

資産価値を少しでも高めるためには鋼管杭やソイルセメントといった埋没物はないほうが良いでしょう。

想像してみてください。あなたが買った土地をこどもたちに相続させる姿を。人はいずれは寿命が来るものです。自分たちのこどもには少しでも多くのお金を残してあげたいですよね。

あなたが一生をかけた買い物なんですから、少しでも資産価値を高めておきたいものです。

資産価値が下がるのなら地盤改良はしないほうがいいのか?

地盤改良すると土地の価値が下がると思われますが、だからといって無茶して地盤改良しない!という選択はしないほうが良いでしょう。

地盤改良が必要かどうかは一概に自分で判断することはできません。かならずハウスメーカーの指示に従いましょう。

資産価値を下げたくないからといって地盤改良をしないという選択をすると、地盤沈下につながるかもしれませんし保証も効かなくなるでしょう。

土地の資産価値を下げないことは大切ですが、家を守ることはもっと大切です。家が地盤沈下でダメになってしまったらそっちのほうが損失は大きいです。

地盤改良をすべきかどうかでいうと、必要であれば地盤改良すべきです。

  • 地盤改良はしないほうが良い。
  • でも、ハウスメーカーが地盤改良が必要だと判断したら必ずやる!

地盤改良が不要な土地を選ぶ

要は、地盤改良が必要にならなさそうな土地、地盤の強そうな土地を選べばいい、ということです。

  • 元は田んぼ・畑
  • 水がよく溜まりそうな盆地
  • …なんかこの地域、傾向た電柱が多いな?
  • …なんか道路に亀裂多くないか?
  • この土地、めっちゃ盛られてる

上記のような場所は地盤が弱い可能性が高いので注意してみてください。元は田んぼか畑かは、昔の地図を見るようにしてください。

盛り土があるような、新しい造成地なんかは特に注意が必要です。

おわりに

  • 地盤改良は土地の資産価値を下げる可能性がある。
  • ソイルセメント・鋼管杭は埋没物として扱われる。
  • 埋没物は土地を売る時、売主の責任で撤去・除去を迫られる。
  • 当然、埋没物の撤去・除去にはお金がかかる。その分だけ資産価値が下がる。
  • 撤去・除去は運次第?場合によってはそのままでも良い。買い手がそのまま流用できることもある。
  • 地盤改良は土地の資産価値を下げる可能性があるが、必要であれば絶対にやるように!

土地を購入する際には立地や環境が一番大切です。

結局は土地の価値とは立地、環境が一番反映されます。

それでも、売るときの事まで考えて地盤の良いとされる場所を買うのがおすすめです。

地盤改良なしで済むのであればそれにこしたことはありません。