一条工務店は24時間全室床暖房で有名なハウスメーカーです。わたしも最初に聞いた時は個人の家でそんな設備が取り付けられるなんて信じられませんでした。
そんな信じられないような設備ですが、探してみると他のハウスメーカーでも似たようなラインナップがあったりします。しかし、そのほとんどが一条工務店と比較してコストで勝てないんですよね。
コストで勝負できるハウスメーカーとして、ユニバーサルホームの地熱床暖房というものがあります。ユニバーサルホームはローコストなハウスメーカーにも関わらず、このような超快適な設備もつけられるんです。
どれぐらいローコストかというと、坪単価30万〜40万というローコストっぷり。
今回はわたしがハウスメーカー探しをしていた中で出会ったユニバーサルホームについて書かせていただきます。
目次
地熱床暖房のユニバーサルホーム
地熱床暖房とは?
ユニバーサルホームは地熱床暖房という設備が売りのハウスメーカーです。そもそも地熱床暖房とは何者なのでしょうか?
地熱床暖房は、地熱床システムというものを使い、ヒートポンプ式の床暖房を使った暖房器具です。地熱っていうとなんだかむずかしく聞こえますが、簡単に説明しますと、地面をあたためて、あたたまった地面が家をあたためる、というようなイメージです。
なぜこんな回りくどいようなことをするのかというと、あたたまった地面は熱が逃げにくいというのを利用しているためです。一条工務店だと床の下にお湯が通るパイプを張り巡らせていますが、ユニバーサルホームは基礎の中にパイプを張り巡らせています。
地熱床暖房の感想
床があたたかい、この一言に尽きます。
床暖房なんだからあたたかくて当たり前だろ!と言われてしまいそうですが、一条工務店の床暖房はあたたかいわけではないんです。寒くないだけなんです。
一条工務店の床暖房は、低めの温度設定にしておかないと家全体が熱くなってしまいます。低め設定にしているので足があたたかいと感じることはありません。
一方ユニバーサルホームは、床の設定温度が一条工務店よりは高めのようです。家に上がった瞬間、「足があたたかい」と感じます。
想像してみてください。冷えきった身体であたたかいお風呂につかったシーンを。思わず「あったか〜い」と言ってしまいそうになりませんか?本当の意味で「あたたかい」ってこういうことだと思うんです。ユニバーサルホームの床暖房はそういうあたたかさなんです。
あたたかいと感じるぐらいあたたかいユニバーサルホームの床暖房。ここまで来ると逆に低温やけどが心配です。この点についても営業さんに確認しましたが、この程度では問題ないそうです。
そもそも低温やけどは45℃以上の温度が3時間以上接しているとなのだとか。
参考:地熱床暖房のQ&A|ユニバーサルホーム
1階全面床暖房
ユニバーサルホームの床暖房は1階全面床暖房です。2階には床暖房はありません。
この点だけ聞くと、一条工務店のほうが優れているのでは?と思われるかもしれませんが、ユニバーサルホームは1階だけで十分と判断しているようです。
熱は上へ上へと移動するものです。そのため、1階をあたためれば自然と2階もあたたまるという理論です。
参考:地熱床暖房は1階全面が暖かい|ユニバーサルホーム
この点に関してはわたしも過去に実験したことがあり、むしろユニバーサルホームの影響で実験をしたのです。
この実験の結果としましては、1階だけでも家全体、十分あたたかい、というか寒くはないといった結果です。ただし、2階は床が冷たいので足が少し冷える感じがあります。
1階にしか床暖房がないからといって、それがデメリットや弱みになるというわけではないです。
地熱床システム
わたしがユニバーサルホームを訪れて、一番企業努力を感じられたのが「基礎」です。ユニバーサルホームの基礎はただの基礎ではなく、いろんな工夫がほどこされています。
地熱床システムといって、基礎の下に砂利を引き、その上にコンクリートを敷き詰め、床暖房のパイプを張り巡らせます。ローコスト住宅は他所が作ったものを組み合わせて家を作っているイメージが強いのですが、ユニバーサルホームは基礎に関してはかなり力を入れているように感じました。
耐久性の高い高性能外壁材ALC
高性能外壁材ALCとは?
外壁材のALCとはなにか?ALCは耐火性・断熱性・遮音性・耐久性、この4つの要素にすぐれた外壁材です。
最近の家ではだいたいのものがこれぐらいの性能は持っています。特に特筆すべきものではないように思いますが、優れた外壁材を使用しているにも関わらず、ユニバーサルホームがローコスト住宅であるということです。
このALCは最大手ハウスメーカーも使っている外壁材なんです。そんなものがローコスト住宅で使えるなんてことになれば、コストパフォーマンスはかなり良いですよね。
ヘーベルハウスも使っている
最大手ハウスメーカーのひとつである、旭化成ヘーベルハウスの外壁材もALCです。
最大手のハウスメーカーが使っているALCと、ローコスト住宅のユニバーサルホームが使っているALCは物が違うんでしょ?と思われるかもしれませんね。ところが、ユニバーサルホームのALCは旭化成が作ったものを使っています。
参考:商品開発力|ユニバーサルホーム
ローコスト住宅は、金額がやすい分どことなく不安を感じさせるところがあったりするのですが、最大手の企業である旭化成が作っているものを使っている、と言われるとなんとなく安心してしまいます。
しかし、いいものを使っているというのはわかりましたが、他社製のものを持ってきただけという感じもあり、少しばかりオリジナリティに欠けているとも言えますね。
他社製のものを使っていてそれが強みです、とは言えません。しかし現実はユニバーサルホームの強みとしている。つまりユニバーサルホームは、ALCを使っていることが強みなのではなく、ALCをローコストで提供していることが強みなんです。
その他の性能
ユニバーサルホームの強みは大きいところで「地熱床暖房」と「高性能外壁材ALC」の2つです。その他の性能についてはどんなものがあるのかというと、以下のものがあります。
- 発泡ウレタンフォーム
- 制振装置
- 木造軸組工法
「泡の断熱」ということを聞いたことはないでしょうか?一番お手軽で身近にある断熱って実は「空気」なんです。発泡ウレタンフォームの特徴は、もっとも普及しているであろう断熱材「グラスウール」と比較して、経年劣化が少ない強みがあります。
制振装置については最大手ハウスメーカーであるミサワホームが商標登録しているMGEOシリーズを採用しています。厳密には、MGEOを独自にカスタマイズしたものになっています。ALC同様、「最大手ハウスメーカーと同じ」と考えるとどことなく安心感を覚えます。
木造軸組工法により、自由な間取りの家を建てることができます。これはいろいろと制限のある2×4,2×6の家にはないメリットですね。それとは逆に、2×4,2×6の気密性・断熱性には勝てないというデメリットもありますが。
まとめ
以上のことをまとめますと下記の通りです。
- ユニバーサルホームは高性能だけどもローコスト住宅。
- 最大手ハウスメーカーのいいとこ取りをしている。
これだけ見るとすごく魅力できですよね。しかし、ユニバーサルホームは特別、気密性・断熱性を売りにしているハウスメーカーではありません。はたして、そのような家で1階全室床暖房というものを運用することができるのでしょうか?
イニシャルコストは低いが、ランニングコストは低くなさそうです。実際に営業さんに確認しましたところ、一条工務店の床暖房より1.5倍ほど高い金額が提示されました。この結果については営業さんや展示場によって差があると思いますので参考程度としてください。
地熱床システムという高性能な設備があったとしても、それを活かせるだけの気密性・断熱性がないと…。一条工務店で迷われている方は、一度このような競合しているハウスメーカーを見てみることをおすすめします。
みなさんのハウスメーカー選びにとってお役に立てるとうれしいです。