一条工務店はまず最初に「うちは一切値引きはしません!」と説明されます。
他のハウスメーカーなんて目が飛び出るほどの値下げを提案してくるんですけどね。
おまけに自由設計なのに間取りの制限も多い。
「一条ルール」なんて言葉を聞いたことはないでしょうか?
間取りが自由にできない、一条工務店の独自ルールのようなものが多いです。
(これはi-smartやi-cubeのようなツーバイフォーの家に多いです)
しかし、それにも関わらず一条工務店はよく売れています。
今回はわたしなりにマーケティング視点からその理由を解析してみます。
目次
なぜ値下げしない?
短絡的な値下げ競争はより一層不利になる。
わたしは一条工務店の値下げをしない戦略は正しいと考えています。
一条工務店は業界トップではありません。
マーケティングの世界では、「チャレンジャー」と呼ばれます。
ちなみに業界トップを「リーダー」と呼びます。
たとえば、一条工務店がトップのシェアを取ろうとして値下げをするとします。
しかし、もしかすると業界トップのハウスメーカーも値下げしてくるかもしれません。
そうすると一条工務店はさらに価格を下げる。
こういったいつまでも続く価格競争の世界に入ります。
いつまでも価格競争は続くのに、利益は出せない。
ジリ貧の戦いが続きます。
そういったジリ貧の長期戦で有利になるのは業界トップの「リーダー」なんです。
なので、値下げをしないのは正しい戦略だとわたしは考えます。
実際にそう考えているのかはわかりませんけどね。
安いことと満足度が高いことは違う
他のハウスメーカーで今だけ値下げします!と言われるとなんだかうれしくなってしまいます。
じゃあそちらにしようかな?なんて考えてしまうことも。
安いにこしたことはないのですが、安いことと満足度が高いことは違います。
ローコストなハウスメーカーだと坪単価30万ぐらいで家が建てられます。
しかし、一条工務店のi-smartやi-cubeあたりだと坪単価60万です。
その価格差は2倍!
自覚のない人も多いとは思いますが、一条工務店にはお金を出してでも買いたいと思える魅力があるんです。
安いとうれしいかもしれません。
しかし、わたしたちが求めているのは安い家ではなく、満足できる家であるはずです。
お客さんの言うことをすべて聞くことが最善ではない
自由にできないと評判の悪い「一条ルール」
一条工務店で家を建てようとしている人の話を聞いていると、以下の様な話をよく聞きます。
「自由設計なのに自由に間取りが決められない!」
「間取りの制限が多すぎる!」
これを「一条ルール」なんて呼んだりします。
家の値段もどちらかというと高いほうですし、値下げもありません。
一方、とあるハウスメーカーは、間取りは自由に決められるし、時期によっては目が飛び出るようなコストダウンを提案してきます。
こう聞くと一条工務店はあまりいいハウスメーカーには見えませんよね。
言うことを聞かなくてもいい、それ以上の提案ができるなら!
この2社を比べた時、圧倒的に後者のほうがいいハウスメーカーに見えませんか?
それでも一条工務店が選ばる。それはなぜか?
後者のハウスメーカーは、いわば「100点のハウスメーカー」なんです。
100点ならいいじゃん!と思われるかもしれませんが、100点が満点とは限りません。
一条工務店は言うことは聞かないし値下げもしない、おおげさに言えば0点のハウスメーカーです。
しかし、一条工務店の家はイニシャルコストは高いけどランニングコストは安いです。
長い目で見ればこっちのほうが低価格なんです。
イニシャルコストの差なんてゴミのようなものです。
そのうえ、耐震性もあるし耐久性もあるし、なんといっても24時間全館床暖房や換気システムのおかげで快適、かつ、健康な生活ができるようになります。
性能はどこのハウスメーカーにも負けません。
それだったら高いお金を出しても一条工務店を買います!
わたしがそういう理由でした。
ちなみに、一条工務店は間取りに多少制限はあるものの、全く自由ではないというわけではないのでご注意を。
むしろわりと自由なほうではないでしょうか?わたしは一条ルールにぶつかったことはありません。
気づかなかっただけかもしれませんが。
つまり、わたしの中で一条工務店は期待を上回る200点のハウスメーカーだったんです。
おわりに
一条工務店は業界トップではありませんが結構売れているハウスメーカーです。
なかなかおもしろい戦略だなぁと関心しつつも、その魅力にやられて選んだ人間の1人です。
一条工務店について知りたい人、一条工務店で迷っている人にとって参考になればうれしいです。