ハニカムシェードを使う前に知っておいて欲しい『ひも』による事故の危険性

ハニカムシェードのひもによる事故の危険性

一条工務店のi-smart、i-cubeではハニカムシェードというシェードが標準仕様です。シェードは見た目がすっきりしていいですよね。

さらに一条工務店のハニカムシェードは断熱性も高いという高性能なもの。そんなものが標準だなんて聞くだけで家がほしくなってしまいます。

ところが、シェードにはカーテンと違って思いもよらない事故の危険性があったりします。そして実際に事故が起きています。

今回はシェードによる事故の危険性について書かせていただきます。

シェードの『ひも』による事故

シェードにかぎらずブラインドも含めて、ひもを使うものは事故の危険性があります。

事故とはいったいどんな事故なのか?

消費者庁は30日までに、窓のブラインドやカーテンのひもによる6歳以下の子供の事故が2007年以降に10件あり、うち3件は首に絡まるなどして死亡していたと発表した。同庁は「ひもをクリップで固定するなどの対策をしてほしい」と呼びかけている。

同様の事故は世界各国で起きている。経済協力開発機構(OECD)の調査では1996年以降、日本を含む15カ国で417件発生し、うち269件が死亡事故だった。

消費者庁によると、12年の死亡事故では、生後6カ月の男児が寝返りをしてベッドから落ちた際、そばにあったブラインドのひもが首に引っかかったとみられる。

ひもが首に絡まったまま出窓から近くのソファに飛び移り、首が赤く腫れるけがをしたケースもあった。同庁によると、ひもが子供の首に絡まると15秒以内に気絶し、2~3分で死亡する恐れがあるという。

同庁は子供がひもに触れないよう高い場所にクリップでまとめ、近くにソファやベッドを置かないよう求めている。ひもに重さがかかるとつなぎ目が外れるなど、安全対策が施された商品も勧めている。

引用:ブラインドひも、首に絡まり子供死亡例も 消費者庁が注意 | 日本経済新聞

悲しい事故ですね。

こどもの首に『ひも』が絡まる

シェードの首をかけられそうなひも

寝返りをうってベッドから落ちる際にひもが首にひっかかった、出窓からソファに飛び移ろうとしてひもが首にひっかかった、という事故が実際に起こっていたようです。

おそらく他にも首にひっかけて遊んでいた〜、とかもありそうですね。うちの子だと、最近シェードのひもに興味を持っているようで、よく掴んで遊んでいます。

この遊びが発展して首にひっかけたりしないか、といつも心配して見守っている状況です。

窒息死に至るケース…

首にひっかけた状態で、こどもが全体重をのせてしまうと『首吊り』になりますので窒息死のケースが高まります。

というか、ひもが首に絡まる事故ってほとんどすべてがそうなると思うのですが…。すべてが死亡事故につながっているわけではないというのがむしろおどろきです。

家を買う前に住んでいるお家ってきっと多くの方がアパートですよね。アパートだとカーテンレールがついているからきっとカーテンを使う方が多いでしょう。ゆえにシェードのひもによるリスクってなかなか想像できないと思うのです。

せっかくの新生活なのに、こどもが事故にあってしまってはかなしいですよね。できるかぎりの対策をしていきましょう。

『ひも』による事故を防止する対策

家具の配置に注意する

実際に起こった事故から考察します。まずは「ベッドの上から落ちたときに、ひもが首に絡まって窒息した」というケースです。

この場合、ベッドをやめるか、ベッドを窓際に置かないことで回避することができますよね。

ベッドだけではなく、ソファも窓から離れた位置に置いたほうが良いでしょう。こどもがソファから飛び降りたりするかもしれませんからね。

注意すべきポイントというか着目する点としては、シェードのひもがこどもの首の高さより下に来るようならばすべてNGです。『すべてNG!』なんておおげさかもしれませんが、想定外の出来事を想定する気持ちで安全対策はすべきです。命に関わることですからね!

出窓の場合はひもをクリップでとめて短くする

出窓部分にこどもが立つことがあります。出窓の高さにもよりますが、低かったとしても少しの段差で十分シェードの『ひも』の高さが首の位置に来てしまいます。

子供が立てる窓のスペースとひもの高さ

一条工務店のi-smartやi-cubeだと、出窓なんて作っていないつもりでもこどもが立てるぐらいの幅が窓にできてしまいます。

これらのケースでは、家のデザインや気密性・断熱性を上げるためにすることなのでこどものためにあきらめるのはちょっとトレードオフにしてはでかすぎるように思います。

シェードには事故を防止するために『ひも』の長さを短くするためにクリップがついています。これを使うことで『ひも』の長さを調節してこどもの首の高さよりずっと高い位置にしましょう。

シェードのひもの高さを調整するクリップ

でも、クリップでとめるのってすごく面倒なんですよねぇ…。シェードをあげたりおろしたりするたびにクリップをつけたり外したりしなければなりません。

『ひも』を首にひっかけるなよ!?という教育

まぁたとえ出窓じゃなかったとしても、子供が成長すれば『ひも』の高さが首の高さに来てしまうのも時間の問題です。しかし、その頃にはある程度言葉を覚えてコミュニケーションが取れるとは思います。

でもこどもって『やるなよ!?絶対やるなよ!?』と言えば言うほどやってしまうんですよね、ダチョウ倶楽部のように。

教育、しつけをするのは当然として、それを守ってくれるとは限りません。かならず家具の配置での対策やクリップでの高さ調整はやりましょう。

他社製品には安全性の高いシェードもある

一条工務店のハニカムシェードはクリップがある程度ですが、他社製品のシェードのひもにはある一定以上体重をかけると外れるというものがあったりします。

一条工務店のハニカムシェードもこういった機構を取り入れてもらえるといいですね。クリップは本当に面倒です。

ちなみにこのクリップは『安全タッセル』というのが正しい名前です。体重を一定上かけるとひもが外れてくれるものは『安全ジョイント』と言います。

シェードをお探しの方は、安全タッセル、安全ジョイントをキーワードにして探すと良いでしょう。

まとめ

以上のことをまとめますと下記の通りです。

  • シェードなどの『ひも』による事故は子供の首の高さにあることが原因。
  • 『ひも』が子供の首の高さに来ないように家具を配置することが大事。
  • それでも回避できない状況では『ひも』をクリップでとめて高さを調整する。

シェードは気に入っていますが、こういった心配事もあります。これからシェードを使うという人にはこういったリスクもあるのだということをよく理解しておいてほしいです。

決してシェードはおすすめしない!危険だ!というものではありません。シェードが抱える問題をしっかり受け止めて、安全に運用してください。

みなさんの家作りのお役に立てるとうれしいです。