家を建てようと思った時、基本的には土地を不動産屋で探すことになります。
わたしは一条工務店の家を買うと決めた時に土地をいろいろさがしていたのですが、土地というのは同じ商品が他にないため、これを逃したら次はないかも!と焦ってしまうんですよね。
不動産屋もそういったこちらの心理を利用して、本当は良くない土地なのに良い土地だとウソをついて売り込んできます。
土地は高額な買物で失敗なんて許されません。
今回は、実際にわたしが不動産屋に売り込まれ思わず買いそうになってしまった最悪の土地について書かせていただきます。
目次
不動産屋が激推しする物件
家の隣が墓地!窓からお墓が見える
不動産屋の無理がありすぎる激推し理由
わたしが土地を探していた時、不動産屋から一番強くおすすめされたのが墓地の隣の土地です。いくつかの不動産屋を回りましたが、みんな一様に墓地隣の物件は強くおすすめしてきました。
普通に考えたらそんな土地、嫌に決まってますよね?ですが、不動産屋はこういう土地を激推しするんです。
その理由は何か?
- 墓地の隣の土地は日当たりが良い。
- 墓地を潰して新しく高い建物が建つリスクがない。
- 墓地とは神聖な領域を意味する。
不動産屋の言い分としては上記のもの。
たしかに日当たりが良いというのは納得できます。家と比べればお墓なんて背の低いものですし、墓地を潰して家が建つ…なんてことはまずないでしょう。縁起悪すぎます。
そして、ホントかウソかわかりませんが、不動産屋が言うにはお年を召した方ほど墓地となりの物件を買っていくのだそうです。
お年寄りほど信心深く、お墓というのはそもそも神聖なものを連想させるのだとかなんとか。
ひたすら契約を急がせる不動産屋
不動産屋は決まってこう言います。
- ここはいい物件だ~!
- これはすぐ売れてしまうな~!
- 土地は同じ商品というものがないですからね~、これほどいい物件が他に見つかるかどうか…。
じゃあお前が買えよ、と。
墓地となりは良い土地、というのはウソ
ホントかウソかわからないような世間一般の認識は置いといて、わたしの感想を書きます。
わたしにとってお墓というのは死を連想させるものであり縁起は悪いと感じました。朝起きて窓を開けて、視界全体に広がるお墓…そんなものを每日見ていたら精神的におかしくなりそうです。
子供だってきっと怖がってしまうでしょう。最悪の場合は子供がいじめに合う可能性だってあります。はっきり言って長く住み続けることなんてできません。
日当たりが良いとか縁起がいいとかそんなもの抜きで絶対に墓地となりは辞めるべきです。
本当に安全なのか?化学工場の隣
気持ちの良い新しい造成地が良い土地とは限らない
平地で造成地で、とても日当たりと風通しが良いと感じる土地でした。
ただ気になるのは、『準工業地域』だったということ。
わたしが土地を探していて感じたのが、大規模な造成地というのは大手企業の工場が撤退した跡地が多いということです。
ゆえに、工場がバンバン立ち並ぶ地域にぽつんと住宅街が現れるということもよくあることなんです。
よくあることではあるのですが、じゃあそこに住んでも良いのか?というと悩ましいですよね。
一応、準工業地域というのは下記の条件を満たしています。
準工業地域(じゅんこうぎょうちいき)は、都市計画法による用途地域の一つで、主に環境悪化の恐れのない工場の利便を図る地域である。住宅や商店など多様な用途の建物が建てられる用途地域であり、土地利用の選択肢が多い反面、しばしば住宅と工場・遊戯施設などが混在し、騒音などのトラブルが起こりがちでもある。
注意すべきポイントを太字にしておきました。
大気汚染は目に見えない
一応、準工業地域に建てられている工場というのは環境悪化の恐れのない工場とされています。つまり、工場の排気・廃棄物による空気汚染や水質汚染はない、ということ。
ですが、そう言われても不安ですよね?
環境悪化の恐れというのある一定の基準を設けています。逆に言えば、その基準を超えない範囲で汚染している、とも取れます。
もし工業地域ではなく住居地域を選んでいれば、そもそもこんな心配をする必要がないんです。
今ではなく未来に何が起こるかを予想する
ちなみに、その工場は後日、火災で炎上しました。化学工場であったため黒煙を上げ大気を汚染…。近隣の住人が非難していました。
大企業なので国の基準をしっかり守っています!品質の資格も取得しています!と言っても、何か事故が起こればどうなるかわかりません。
原発だって同じでしたよね。絶対安全です!と言っておきながら津波で破壊されましたし。
たとえ平常時の運転で汚染がなかったとしても、イレギュラーな自体が発生すれば汚染は発生するということです。
『君主危うきに近寄らず』
疑わしいと思う場所には近寄ってはいけないんです。
おいしい匂いなら大丈夫?パン工場の隣
おいしい匂いがするなら安全か?
次もまた準工業地域のお話です。今度はパン工場になります。
パン工場と言われれば特に問題はなさそうに思いますよね。産業機械や薬品を作っているような化学工場は危険な薬剤を扱っていたりして汚染が心配になりますが、食品を作っている工場ならばそういう心配はほとんどなさそうです。
以下、不動産屋とのやりとりです。
わたし:『パン工場なら大気汚染とかの心配はなさそうですね~^^』
不動産屋:『そうですね!心配はありませんね!むしろ、いい匂いがしてきますよ^^』
わたしはこのやり取りでひっかかりました。『パンのいい匂いがする』という部分です。
いい匂いは合法的な大気汚染である
よく考えてみると、住んでから一ヶ月二ヶ月くらいはパンのいい匂いがする~、とは思えるのでしょうけれども、これが何年、何十年と続くと、パンのいい匂いは異臭・悪臭でしかなくなる可能性が高いです。
パン工場で働いている人だと、パンの匂いが精神的に来るみたいですね。
パンのいい匂いというのは例えるなら『合法的な大気汚染』です。
もちろん、パン工場だって匂いを近所迷惑にならないように、漏らさないようにしているはずですが、いい匂いというのは環境汚染ではないため厳密に取り締まることはできません。
土地を選ぶときはいい匂いがするとかではなく、無臭でなければならないんです。
同じ理由で、
- パン屋
- 焼肉屋
- 焼き鳥屋
こういった物件の隣も辞めたほうが良いでしょう。お隣さんが焼肉屋だったり焼き鳥屋だったり。こういうお店は『匂い』が『集客のための材料』でわざと外に漏らしてますからね。
意外と気づくことができない、養豚場の隣
臭いに気づかない
言うまでもないのですが、養豚場の臭いです。
ただし、不思議と土地を探している時にはこれに気づかないことがあるんです。
下記の要因で臭いの強弱が異なります。
- 季節
- 時間帯
- 風向き
つまり、場合によっては養豚場がすぐ近くにあっても気づかないというケースが意外にあったりします。
これはわたしの実家の話になりますが、わたしの実家の近くには養豚場があります。地元でも『○○臭』(○○には地元地名が入ります)と呼ばれるほどの有名な悪臭です。
これから住むという土地に対して調査が足りない
しかし、不思議と新しく引っ越してくる人が養豚場となりのアパートに入居してきます。
- 気づかなかった。
- そもそも真剣に調べてなかった。
そんな理由です。実際に引っ越してきた人の話を聞くと、『騙された!』という意見を聞きます。要は、不動産屋はそういった理由を話さないか、うまくごまかしているということでしょう。説明責任・説明義務にも穴はあります。
養豚場は山・丘、林や森、そういったものに隠れて見えないこともあります。実は住宅地にまぎれて養豚場があった、なんてこともありました。
これに気づくためにはGoogleマップで周辺地域を確認したり、地元住民にインタビューするしかありません。
ちなみにわたしは地元住民にインタビューしました。恥ずかしいと思うかもしれませんが、何千万という買物を一生をかけて買うのですから、そんなものは一時の恥であり、地元住民へのインタビューは土地購入リスクを低減させるための、もっとも有効な手段です。
わたしは騒音で有名な厚木基地の近くに住んでいますが、当時は地元住民に騒音具合を聞いて回ってましたからね。
不動産屋は売れない土地ほど激推ししてくる
わたしが体験した感想としましては、不動産屋は売れない土地ほど激推ししてきます。その理由はなぜなのか?
…昔の中国のえらい人、孫氏はこう言います。
『戦わずして勝つ』
孫子の兵法、戦略のお話で、ビジネスにも転用されているケースが多いのですが、要は商売をするならライバルのいないところで勝負して勝つべくして勝て、ということです。
不動産の販売においてライバルと戦わずに勝つ方法とは何か?基本的に人が避けるような土地を勧めるというところでしょう。
土地というのは同じものが2つとないユニークな商品ですからね。こちらとしてもここが売れたら次に心ときめく土地に出会えないかもしれないという心配がつきまといます。
これは本当だと思うのですが、ここの土地を買います!と決めて契約を進めたところ、タッチの差で売れてしまいました、というケースがあるそうです。
不動産屋としては時間をかけてようやく買う気にさせることができた、超高額な契約を成約させることができた、ウハウハでしょう。なのに売れてしまっていて一からやり直しなんてことは避けたいはずです。
そういったリスクを避けるためにはどうすればいいか?誰も手を出さない土地をゴリ押しすることです。
ただし、墓地のとなりというのは本当に売りづらい土地でしょうから、不動産屋としても売れればラッキーぐらいにしか思っていないはずです。
何人かに一人はひっかかってしまう。それが自分かもしれないしあなたかもしれない。とにかく、自分だけはだまされないように気をつけましょう。『あ、なんかこの土地、理由はよくわからないけど良くないな』という、自分の直感を大切にしましょう。
まとめ
- 墓地の隣はどんなに良い理由を並べられても良くない。
- 工場隣は大気汚染のリスクがある。いい匂いも汚染である。
- 臭いは目に見えない分、気づかないことがある。
- 不動産屋は売れない土地ライバル不在のため、ゴリ押しして買わせようとしてくる。
土地を探す上で一番やっかいなのが、不動産屋があの手この手で売れない土地を売り込んでくることです。
こちらは一般人ですので、うまいこと心を操作されて良くない土地を買わされそうになります。そして土地の良し悪しを見抜くスキルも低いです。
わたしはかつて、とある建売住宅の手付金を払う寸前のところまでいったことがあります。50万円くらいの札束を持って契約書にハンコを押す寸前のところまでいきました。
『やっぱ辞めます』と言ったら、深夜まで残されて説教されました。『こっちはビジネスなんだぞ!金かかってんだぞ!』とある意味脅しのようなことまでされまして…。
『ハンコ押すまでは絶対に帰さないからな!?』という勢いでした。
土地を探す上では『しっかり自分の意志を持つ』ということと、敵(不動産屋)の悪質な?手段を知ることです。
営業トークというのは定石が決まっています。行動心理学という学問を利用したものです。せめてもの対策として、メンタリストで有名なDAIGOさんの本に目を通しておくと、敵(不動産屋)の常套手段を知ることができます。
いろんな本がありますが、DAIGOさんはテレビにも出ていて信頼・実績があるし、本も読みやすく面白いですからね。
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